有効な運動の話

投稿者:整形外科医 海村朋孝

ブログ第6回、海村朋孝です。前回まで慢性痛に対して運動することがよいという話でしたが、今回はさらにどういう運動をすべきかに関しての話です。ロコトレがおすすめと言っていましたが、それ以外のもっと大雑把な「運動」について。

 

「運動したほうがよい」とわかっていてもなかなかできないものです。別に本格的な運動をしないといけないというわけではありません。普段から運動習慣のない人が、急に無理な目標を立てると続かなかったり、けがをしてしまったりすることもあり得ます。まずは少し活動的に過ごすだけでも、健康への良い効果が期待できます。

 

日本生活習慣病予防学会が掲げているテーマの一つに、「今より10分多く体を動かす」というものがあります。日常生活の中で身体活動量を増やすのが大切という考え方です。それだけで腰痛の予防効果があります。急性腰痛、いわゆるぎっくり腰に対しても安静より活動性を維持するほうが有用なのです。逆に座りっぱなしで体を動かさないでいると、腰痛になりやすいだけでなく、ほかの病気にもなりやすいということが分かっています。

 

さらに厚生労働省によると、1日10分多く体を動かすだけで生活習慣病にかかるリスクを36%下げることができます。台湾の研究報告では15分運動すると死亡率が14%減少するとのことです。まとまった10分間でなくとも、数分間のちょっとした動きを1日のうちで足していって、合計で10分になれば効果があるとされています。たいていすぐに始められて日常生活に取り込みやすい運動となるとウォーキングが挙げられます。

 

例えば、体重70kgの男性が毎日10分間早歩きをすると、1年で約1.9kgのダイエット効果があります。2~3か月続けるだけでも血圧が1.5mmHg下がる効果も期待できます。特別なことをしなくとも、階段を使う、少し遠回りして歩くなど、自分自身の生活に合わせて動きを足してみるのが重要です。

 

座りっぱなしは避け、身体活動を多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう、ということをここまで語ってきましたが、特別な運動でなく、ウォーキングでも良いようです。そこで次回は運動の内容はウォーキングだけで良いのか、という話をします。お読みいただきましてありがとうございました!