骨粗鬆症について その1

投稿者:整形外科医 海村朋孝

ブログ第8回、海村朋孝です。前回はウォーキングと筋力トレーニングをお勧めしました。理由としては瞬発力のもととなる白筋を鍛えるためでした。白筋が弱ると転倒のもととなります。

 

転倒予防は重要です。例えば労災による死傷者の発生要因も、今は「転倒」が最多です。以前は機械に挟み込まれた、高所から転落した、といったことが多かったのですが、現在はちょっと転んで手をつくことで骨折してしまうことが増えているのです。これは労働者人口が高齢化しているためと思われますが、骨粗鬆症や関節・脊椎疾患などによって、昔では労働災害にならないレベルの転倒でも骨折になってしまいます。

 

特に重要なのは骨粗鬆症で、骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気を言います。自覚症状がなくても骨が弱くなっているので、骨折してから骨粗鬆症だったとわかることがほとんどです。今は骨粗鬆症に対する治療薬もいろいろと出てきていますので、骨折を予防するには、健康だと思っていても骨密度を測る機会を設けておくのが重要です。骨折する前に骨粗鬆症を見つけて、必要な治療を行いましょう。

 

2015年の調査では骨粗鬆症患者さんは全国に約1,590万人(男性410万人、女性1,180万人)と推定されています。これは全人口の約12.5%にあたります。しかし実際に治療を受けているのは2023年時点では138万7,000人で、患者さん全体のわずか1割弱にとどまっています。多くの患者さんが未治療のまま過ごしているのです。

 

銚子市で考えてみますと、2026年6月1日現在の人口が51,382人(千葉県公式ホームページ)ですので、12.5%の6,400人ほどの骨粗鬆症患者さんがいると考えられます。その中で治療を受けているのは640人に満たない計算になります。銚子市内で治療を受けていない骨粗鬆症患者さんが5,000人以上いることになります。

 

この数字はあくまで全国データを基にした推定値ですが、銚子市は高齢者比率が全国平均より高いので、実際にはさらに患者数が多くなる可能性があります。つまり、地域医療において「未治療骨粗鬆症患者の発見」と「骨折、骨粗鬆症に対する予防」が急務だと考えられます。

 

骨粗鬆症を放っておくとどうなるのか、という話はまた次回にさせていただきます。ここまでお読みいただきましてありがとうございました!