呼吸と睡眠の深い関係

投稿者:内科・呼吸器内科医 海村朋子

こんにちは、千葉県銚子市にある医療法人芳仁会「海村医院」本院内科医師の海村朋子です。前回、鼻呼吸のメリット、口呼吸のデメリットをお伝えしました。起きているときでも特に意識することがない呼吸ですが、寝ているときは尚更意識しなくなります。今回は、睡眠中の呼吸について考えてみます。

 

睡眠中は、口を閉じて鼻呼吸になっていることが理想的です。一方で、睡眠中の異常な呼吸のことを「睡眠呼吸障害」と言いますが、その中で大部分を占めるのが「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea SyndromeSAS)」です。睡眠時の無呼吸が直接命にかかわることはありませんが、SASは、高血圧、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈などの発症要因になることがわかっており、これらの病気を合併することで、生命予後にもかかわると言えます。症状としては、いびき、また睡眠の質が落ちることによる日中の眠気、起きたときの頭痛などを認めます。

 

SASの多くは、寝ているときに気道(空気の通り道)が物理的に狭くなることが原因です。肥満のように、舌やのどの周りに脂肪がついて気道が物理的に狭くなるのは想像しやすいかと思いますが、寝ているときに口呼吸で口が開いてしまうことで、舌が落ち込み、気道をふさぐことでも起こりえます。SASと言えば、「太っている人に多い」というイメージかと思いますが、この理論でいえば、顎が小さい、いわゆる小顔の方でも起こりうる病気になります。特に現代人は、食事をよく噛まずに食べることによる顎の形成不十分から、小顔になりやすく、睡眠中の無呼吸が増えていると言われています。また、鼻炎や鼻中隔弯曲といった鼻の病気のために口呼吸が主体となると、こちらもSASの原因となりえます。花粉症による鼻閉感からも、睡眠中に無呼吸を起こす可能性があります。

 

対策としては、肥満であれば減量が最も重要です。病院で検査をすることでSASの診断に至れば、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway PressureCPAP)による治療を受けることもできます。CPAPは、マスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。

 

病院で行えるSASの検査には、簡易な検査と、より精密な検査(ポリソムノグラフィー:PSG)があります。当院では、簡易な検査を実施しており、患者さんに器械を貸し出して、自宅で一晩検査を行ってきてもらい、後日結果を確認する、という方法になります。簡易な検査でも、結果次第でCPAP治療を検討することができます。睡眠中の呼吸異常やいびきが気になる方は是非ご相談ください。